ご挨拶
第34回日本腸管リハビリテーション・小腸移植研究会
当番世話人 嶋村 剛
(北海道大学病院 臓器移植医療部 部長)
このたび第34回日本腸管リハビリテーション・小腸移植研究会を開催させていただきますことを大変光栄に存じ、会員の皆様に対し心から御礼申し上げます。
北海道での開催は2007年の第19回日本小腸移植研究会以来15年ぶり2回目となります。第32回から本会の名称が日本小腸移植研究会から現在の名称に変更となり、腸管機能不全症の治療を総合的に議論する研究会に発展しました。しかし、世界を震撼させる新型コロナウイルスの蔓延により、2回続けてハイブリッド開催を余儀なくされました。変異株の出現などいまだ予断を許しませんが、名称変更後、初となる現地開催を念頭に置きました。そのため奥山会長ならびに世話人の諸先生からのお許しは賜りましたが、例年よりも遅い時期での開催となりますことをご寛恕下さい。是非ともお互いに顔が見える形で議論を深めて頂ければと存じます。
今回、研究会の発展に寄与すべく、テーマを「個別治療から共通認識へ」とさせていただきました。腸管機能不全症の治療は腸管リハビリテーションから小腸移植まで病態により多岐にわたり、多職種連携の重要性が強調されていますが、症例毎の治療選択さらには小腸移植の適応についても完全なガイドラインベースには到達していません。実際、北海道の腸管機能不全症例に対する治療法について道外の施設よりご助言を賜ることもあります。前回の第33回同研究会でも治療法の選択や小腸移植適応に関する共通認識の構築に焦点を置いた活発な議論がなされましたが、今回はこれを継承しつつさらに共通の認識を深めたいと考えております。参加される皆様からのご指導をよろしくお願い申し上げます。
本研究会では、腸管リハビリテーションについての一般演題・教育講演から始まり、ランチョンセミナーを挟んで、米国Pittsburgh大学で小腸移植を現実の治療にされた恩師・藤堂省先生にLegend Lectureをお願いしました。さらに午後の時間の大部分を症例討論会にあてるアジェンダとしました。症例討論会ではパネリストの方々から症例をご提示いただき、1例ごとパネリスト全員で討論、討論後にコメンテーターからのご意見を伺うことを繰り返しながら、最終的に腸管リハビリテーションならびに小腸移植適応の共通認識につなげたいと考えております。
7月初旬の札幌は北海道らしい清々しさに満ちた1年のうちで最高の季節です。この時期美味しいものも豊富ですので、学会と合わせてお楽しみいただけると存じます。
皆様の御来札を心よりお待ち申し上げます。